第4話 第1期生 雲井浪子


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雲井浪子は13歳でタカラヅカの記念すべき第1回公演「ドンブラコ」に猿の役で出演しています。娘役ですが、当時は宝塚新温泉の余興であり観客は男性が多かったため、男役よりも娘役の方が花形スターだったようです。

雲井浪子は同じく娘役の篠原淺茅と人気を二分していたようです。 そして19歳で結婚し退団します。結婚相手は「宝塚少女歌劇」の若手演出家だった坪内士行(しこう)、32歳です。今ではほぼ死語となった「寿退団」ですが、年の差もあり職場結婚というか先生と生徒の結婚というか、当時のマスコミを賑わしたようです。

坪内士行は6歳の時に、子供がいなかった叔父である坪内逍遙の養子になっています。
早稲田大学文学部英文科を卒業後、アメリカのハーバード大学に留学し演劇を学びます。
帰国後、「宝塚少女歌劇」の演出家として小林一三に招かれます。
演出家として名前が出るのは1919年の正月公演からのようです。

2人の間に生まれた一人娘が女優・坪内ミキ子です。小学生の頃からタカラヅカに憧れ入団したいと思っていたそうです。しかし、母に相談したところ大反対にあい断念し、父士行と同じく早稲田の英文科に進学します。
学生時代から映画に出演し、その後「学士女優」(本人はこう言われるのを嫌ったようですが)としての道を歩んで行きます。

(参考)坪内ミキ子「坪内家の青春譜」(早稲田学報 2007年12月号)


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