春分の日からの3連休を利用して墓参りのため徳島に帰省しました。
20日、ムラに立ち寄り11時のバウホール公演を観ました。
「花のみち」の桜のつぼみもふくらみ、一部咲き始めていました。
写真は3月20日午後の撮影です。
龍真咲(パラモン)と明日海りお(アーサイト)の二人が主役です。
二人が互いに鏡に映った像のようにビジュアル的にも対称になる場面が多いです。
クライマックスは二人の決闘シーンからラストまでの場面です。
王女エミーリア(羽桜しずく)の獲得を賭けた決闘の後、思いがけない運命のいたずらに生死を翻弄される二人の対象的な演技が印象的でした。
二人は演技に歌に、がっぷり四つに組んで力を出している感じです。
特にラストシーンで激情を吐露する龍真咲の演技には迫力がありました。
今回の舞台の原作は、近年の研究でシェークスピアの作品として加えられたものです。
(シェークスピアの後、王室の座付作家だったジョン・フレッチャーとの共著とされています。)
一人はハッピーエンド、一人は悲劇の結末を迎えます。
シェークスピアは、二人の存在の“対称性”、そして最後に生死を分ける二人の“対象性”を描こうとしたのでしょうか。
小柳先生は、舞台装置もシンプルな対称形にして、ラストシーンの二人の対象性を劇的に際立たせています。
牢番の娘を演じる蘭乃はな(研3)の演技が光っていました。
パラモンへの片想い、そしてパラモンがいなくなった後の心の病、揺れ動く心情を丁寧に演じています。
とくに感情を込めながらも聞き取りやすいせりふの発声がすばらしいです。
演技の完成度の高さを感じます。
娘役の逸材だと思いました。
この中から5年後の宝塚100周年を担うスターが出てくる、そんな期待を強く感じさせる舞台でした。
専科の「二人の老公子?」の渋い演技が舞台を引き締めていました。
この原作は、4月に日生劇場でも「赤い城 黒い砂」と題して舞台化されます。
出演は、二人の貴公子に中村獅童、片岡愛之助、王女に黒木メイサです。
こちらはどんな舞台になるのか興味深いのですが、経費節約のため観劇予定はありません・・・。 |