昨日(9日)、渋谷のシアターコクーンで19時公演を観ました。
観客の好みによって評価は別れるのでしょうが、私には余り面白い舞台ではありませんでした。
何度か眠くなりました。
蜷川幸雄が初めて寺山修司の戯曲を演出します。
昭和60年代の安保闘争の時代が舞台です。
メインキャストは、革命を目指す若きテロリストの二人、良(森田剛)と灰男(窪塚洋介)、そして良の姉夏美(寺島しのぶ)です。
森田剛は3度目の舞台出演です。
まだアイドルのイメージが強いのでしょうか、「純粋さ」や「やさしさ」は感じられますが、「純粋であるがゆえに狂気を感じさせる」良にはなっていませんでした。
窪塚洋介は初めての舞台です。
台本を丁寧に読んでいるようなセリフで、やはりテロリストを感じさせる演技にはなっていません。
夏美は17歳か18歳の少女の設定です。詩人で灰男と恋に落ちます。
出番も少なくセリフも少なく、寺島しのぶはミスキャストとしか思えません。
初々しい新人がやればちょうどいい役だと思います。
柄本祐は柄本明の息子ですが、日常の雑談のような話し方で、舞台のセリフになっていません。
他のキャストもセリフが良く聴きとれない場面が目につきました。
蜷川幸雄お約束の驚きの演出ですが、冒頭、舞台背後の搬入口が開けられており渋谷の道路が見えています。
初めにキャストがここからは入ってきます。最後もここから出ていきます。
あまり驚きではありませんが。
客席の通路での演技がよく使われています。
しかし、通路より前の観客にはよく見えないので余り面白くないでしょう。
私は通路からだと3列目だったので良かったです。
また演出なのでしょうが客席に照明が当たります。まぶしいです。
しかし、話題性は十分です。
平日でしたが、2階席も3階席も立ち見が入って大入りです。
また客席は若い女性が多く目立っています。
若い女性には面白い舞台と感じるのでしょうか、カーテンコールはスタンディングオベーションでした。
私には蜷川幸雄の演出は手抜きのように思うのですが、興行的には大成功なのでしょう。
開演直前に一人の男性がスタッフの案内で近くの席に着きました。
周辺の観客がざわついていました。
帽子をかぶったままの岡田准一でした。
|