6月3日(木)19:00公演を渋谷のオーチャードホールで観ました。
圧倒的な歌唱力、華やかな衣装とダンス、可動式のLEDパネルの光と映像、実に感動的な舞台でした。
ブロードウェイで1981年12月に初演、4年のロングランが行われたブラック・ミュージカル不朽の名作です。2006年に映画化もされています。
昨年11月にニューヨーク・ハーレムのアポロシアターで28年ぶりに再演がスタートしました。
成功を夢見てシカゴからやってきた黒人女性ボーカルグループのサクセスストーリーです。アポロシアターで行われている恒例のアマチュア・コンテストに出場するところから始まります。
人気歌手のバックコーラスをしながらデビューのチャンスを待ちます。
ついにデビュー、そしてヒットチャ−トにも登場します。
しかし、脚光を浴びるとともにリードボーカルの座をめぐる争い、3人それぞれの男性との愛憎など、華やかなショービジネスの光と陰が多くのナンバーとともにテンポよく描かれています。
自己中心のエフィー(モヤ・アンジェラ)、素直なディーナ(サイーシャ・メルカード)、心配りのローレル(エイドリアン・ワーレン)、対立してエフィーがグループを抜けた後に加わるミシェル(マーガレット・ホフマン)などのキャストは1年以上かけて2,000人の候補者から選ばれたそうです。
特にモヤ・アンジェラは体格もよく、すばらしい歌唱力でした。
舞台全面に可動式のLEDパネルがセットされています。
さまざまな光の波だけでなくライブカメラを用いて映像も流されます。
4月に観た劇団☆新感線の「薔薇とサムライ」にも同様の装置があり、同じような使われ方でした。演出のいのうえひでなりは雑誌の中でLEDパネルについて「『ドリームガールズ』にも負けてないと思います。ただ、あえてそれをウリにはしない。」と話しています。
どちらがオリジナルなのでしょうか?
セリフや歌詞の翻訳は上手と下手にある電光文字盤に表示されます。
しかし、最前列下手の端の席でしたので、舞台に集中するとほとんど見ることが出来ません。事前にプログラムを見ていたので、また、それほど難しいストーリーでもありませんので、何となく分かりました。
ラストシーンもアポロシアターが舞台です。
それぞれの道に進むためザ・ドリームズは解散することになりラストコンサートが行われています。対立してグループを抜けていたエフィーも加わり4人はお互いの友情を確かめ合うように歌い始めます。
主題歌「ドリームガールズ」の華やかさ、最大のヒット曲「ワン・ナイト・オンリー」の胸を打つ美しいバラード、そしてキャストのすばらしい歌唱力が加わり、音楽に人の心を勇気付ける力があることを実感できる舞台でした。
日本人による翻訳版もできるように思うのですが・・・歌唱力のあるキャストをそろえるのは難しいのでしょうか?
宝塚もトップスター中心の舞台にこだわらず、このようなすばらしい作品の舞台化にも取り組んでほしいです。
(余談です)美しいバラード「ワン・ナイト・オンリー」は訳すと「今宵一夜(だけ)」になります。
文字盤にも翻訳が表示されます。一瞬脳裏にアンドレとオスカルの名場面が浮かびました。(余談でした) |