シェークスピアの有名な4大悲劇の一つです。
しかし今回の作品は悲しい雰囲気になるような演出はあまりなく、とても楽しい舞台になっています。
藤井大介先生の巧みな演出だと思います。
生徒も一人一人集中力が切れることなく、全力投球している感じがします。
龍真咲は前髪を上に巻きあげてふくらませ、ハムレットでなくロック歌手のような外見なのですが、そんなことは関係ないほどの熱演ぶりでした。
オフィーリアの蘭乃はなは、ハムレットの恋人としての美しさと父の死を悲しみ狂気になる姿をうまく演じ分けています。
ハムレットの親友ホレーシオの宇月颯(研6)の歌と演技のうまさが目に付きました。
これからの成長が楽しみな男役だと思います。
兄を毒殺し王位と王妃を奪ったクローディアスの越乃リュウ組長、王妃の専科・五峰亜季のベテランの演技に存在感がありました。
ストーリーや登場人物はほぼ原作どおりです(と思います)。
ホレーシオ以外の主要な登場人物は非業の死を遂げます。
その点ではまぎれもなく悲劇なのですが、修辞に富んだセリフ、ロック調の音楽に乗った歌とダンス、ハムレットの外見、そして生徒全員の元気さが悲劇を包み隠して楽しい舞台にしてしまうほどの迫力がありました。 冒頭、緞帳が上がっていて薄暗い墓場に亡霊たちが登場します。
エリザベートのシーンを思い出しました。
特別公演では珍しいと思うのですが、階段状の舞台装置の後ろに楽団が入って音楽は生演奏でした。
カーテンコールでの生徒たちの表情が生き生きと輝いていました。
今回、友の会の抽選が2公演とも当たり、2日続けての観劇になりました。
23日は7列目、24日は最前列、いずれもセンターでした。
24日は生徒の衣装の飾りでしょうか、長さ30cmほどの金色のテープがちぎれて客席に落ちてきました。
消耗品です(と思います)ので公演の記念にもらって帰りました。
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