カフカの小説「変身」の舞台化です。
主役は森山未來(グレゴール)です。
8日(月)19:00公演をル・テアトル銀座で観ました。
40年ほど前に自ら脚本・演出・主演を努めたスティーブン・バーコフの演出です。
グレゴールの両親が久世星佳(69期)と永島敏行、妹が穂のかです。
「ある朝、不安な夢から目覚めると、グレゴールは自分がベッドの中で大きな虫に変わっているのに気がついた。」
家族とコミュニケーションはとれず、厄介な存在として忌み嫌われ部屋に閉じ込められてしまいます。
腹這いになったり、仰向けになったり、ぶら下がったり、飛び降りたり、“虫の演技”になって部屋の中を動きます。
体力的にはとても大変な役のようです。
しかし、森山未來はダンスが得意なようで、すばらしい身体能力で演技していました。
効果音に合わせてパントマイムのような動きやスローモーションの演技が多くあります。
両親と妹の動きは、音とも会わず、あまり完成度の高い演技には見えませんでした。
また、この家に新たな下宿人がやって来ますが、その外見や演技はそれまでの雰囲気を壊すようなものでした。
演出意図は分かりませんが、共演者は森山未來のすばらしい演技に水を差すような存在になっているのが残念です。
舞台はグレゴリーが虫に変身するところから始まり、虫の死で終わります。
どうして虫に変身したのか、どうして虫は死ななければならなかったのか、その答えがあるのかどうかも含めて観客にゆだねられているようです。
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