会場は唐十郎の芝居の原点ともいえる、新宿・花園神社境内の紅テントです。
新宿・百人町のしがないラーメン店「味龍(あじりゅう)」が舞台です。
ここで働く出前持ちの青年や店長、店に集まる客たちが登場します。
しかしこのラーメン店、近くの大病院に地上げされ夏にはなくなってしまいます。
その病院長、看護婦、病院の出資者が登場します。
唐十郎は大病院を宣伝する謎のコピーライターの役です。
ラーメン店と地上げ、これ自体はどこにでもあるありふれた設定です。
しかし、セリフには修辞が多用され、非現実的・空想的な会話が続きます。
また今回の舞台には「水」が登場します。
水が張られた大きな水槽があります。
水槽の中にはビー玉が沈んでいます。
役者二人が水槽の中に入り、そのビー玉を見つめようとします。
ラーメン店は病院の中庭になる予定であり、噴水が作られ本当に水が噴き出します。
病院の水枕の水、やかんの水も使われます。
最前列の観客には水がかかるためビニールシートが用意されていました。
最後にはホリゾントが開き花園神社の境内が見え、役者が出ていきます。
昨年の椿組のテント芝居もそうでした。
またテントではありませんが今年2月に観た蜷川幸雄の舞台でもこの演出がありました。
ラストシーンの定石の一つのようです。
ストーリーがあるような、ないようなこれがアングラの世界でしょうか?
歌があって唐十郎も3曲歌います。
唐十郎だけでないのですが、セリフはよく聞き取れるのですが、歌になると歌詞がよく聞き取れません。
花園神社では6月に新宿梁山泊、7月に椿組のテント芝居があります。
今日の紅テントは定員約250名です。
ゴザの上にあぐらをかいて座るので腰が痛くなります。腰を伸ばすために?途中休憩がありました。
椿組の客席は階段状のベンチです。
新宿梁山泊は「紫龍テント」というそうですが、とても素晴らしいという評判を聞きました。
初めてなので6月を楽しみにしています。 |