6月19日(土)15:00公演をこまばアゴラ劇場で観ました。
岸田理生・作、小松杏里・台本+演出+美術+照明です。
岸田理生は若い頃、天井桟敷に参加し寺山修司との共作で「身毒丸」などを手掛けています。
小劇場運動の担い手でしたが、難病に倒れ7年前に57歳で亡くなりました。
「理生さんを偲ぶ会」の主催で、今行われている「第4回岸田理生アバンギャルドフェスティバル」参加公演です。
d'Theaterの第4回公演です。
d'Theaterは小松杏里が2年前に旗揚げした劇団です。
「解体新書」の初演は1978年、当時の天井桟敷館で上演されています。
32年ぶりの再演です。小松杏里は初演で照明を担当しています。
「解体新書」ですが杉田玄白は登場しません。
その代わり平賀源内を思わせる「ゲンナイ」が主人公です。
そして舞台は江戸時代の「出島」です。
しかし「ゲンナイ」も「出島」も現実的に描かれているわけではありません。
「人間の身体には暗闇がある。その穴に墜ちてゆくのは自分だ!」という謎めいたストーリーです。
「ゲンナイ」を若い女性が演じています。
演出意図はあるのでしょうが、やはり演技に迫力が感じられません。
また主役として舞台の求心力も弱かった気がします。
とはいえ特にキャストの化粧などアングラの雰囲気の色濃い面白い舞台でした。
|