虚港 伊東香穂里 平成22年11月7日(日)13:00 NEONEO坐




画像をクリックすると拡大します

今日13:00〜 NEONEO坐で観ました。
伊東香穂里主演、山崎幹夫監督・脚本・撮影・編集、1996年の8mmフィルム作品です。 1997年山形ドキュメンタリー映画祭で特別賞を受賞しているそうです。

今回のプログラムとしては「ディック的現実崩壊の快楽」という題がついています。
ディックはアメリカのSF作家フィリップ・キンドレド・ディックです。
山崎監督は、「虚港」はディックのSF小説のおもしろさがヒントになったと語っています。

ミッキー(山崎)とミニー(伊東)が主役として登場します。
2人は、現実的な日常の世界の存在であると同時に空想的な物語の世界の存在でもあるように描かれています。
現実と空想がオーバーラップしながらストーリーが進んでいきます。
また現実を示しながら、すぐにそれを否定するということが何度も繰り返されます。
最後に、ミッキーとミニーは“虹の彼方”にある“新しい世界”に向かって行きます。
でも“新しい世界”には確かな何かがあるのでしょうか?
人としてのアイデンティティの脆さ、そして現実の脆さが描かれているようです。

カラー作品ですが、最後の一部分がモノクロになっています。
ここではミニーが、インドの民族衣装の姿で笑顔で楽しそうに歌いながら踊っています。
それまではあまり愛想のない表情で登場していたのに比べて非常に対照的で印象的な場面になっています。

ミニー役の伊東香穂里さんは演劇集団「Jules†ジュール」の代表です。
また新宿ゴールデン街の「Bar†ジュール」のオーナーです。
14年前の作品ですが、今の伊東さんを見ても14年という歳月を感じさせません。
ただ声は映画では今より高いキーになっています。
11月12日、19日、26日に「Bar†ジュール」でも「虚港」の上映会が行われます。


トップページに戻る    観劇リスト2010に戻る