ロックンロール ホリプロ 平成22年8月18日(水)19:00、28日(土)18:00
世田谷パブリックシアター


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8月18日(水)19:00と28日(土)18:00の2回、世田谷パブリックシアターで観ました。

資本主義の欧米諸国と共産主義のソ連・東欧諸国が対立していた冷戦の時代が舞台です。 東欧諸国のチェコスロバキアでも民主化運動が高まり1968年「プラハの春」が起きます。
しかしソ連は共産主義体制を守るために戦車で改革を弾圧しチェコスロバキアを占領します。 自由な言論や活動は厳しく制限され、「反体制的」な演劇や音楽も禁止されました。

そして「プラハの春」から21年後、1989年、ベルリンの壁が崩壊し東西冷戦は終結します。 1990年、チェコスロバキアの共産党政権も倒れ、ついに民主化が実現されます。
そしてこの年の8月18日、ローリング・ストーンズが初めてプラハでライブを行います。
これはチェコの民主化を象徴する出来事として今も語り継がれています。

「プラハの春」から民主化実現までの22年間のイギリス・ケンブリッジとプラハが舞台になっています。 ケンブリッジ大学教授のマックス(市村正親)とその教え子であるチェコからの留学生ヤン(武田真治)が主人公です。
チェコの民主化に関するマックスとヤンの会話、そしてチェコに帰国したヤンの行動が描かれています。
舞台自体はミュージカルではなくストレートプレイです。場面が転換する時にロックンロールが流れます。

政治に関するセリフがたくさん出てくるので、なかなか難しい雰囲気の舞台です。
ロックンロールは自由の象徴です。
2回観ましたが、日常生活でも「人種・民族・文化・政治」の異なる隣人と接して暮らしているヨーロッパの国々の人々と違って、日本人にはこの舞台を肌で理解することは難しいかもしれません。

月船さららは出番が少ないのですが、聡明で強い女性を演じて存在感がありました。
また、舞台を明るくするような「美しさ」が出ていてよかったです。
28日は武田真治らのアフタートークがありました。
冒頭だけ市村正親も参加しました。
残念ながら月船さららは登場していません。

チェコスロバキアは長くオーストリアの「ハプスブルク家」に支配されていました。
ハプスブルク家終焉の後、独立し、しばらくは自由を謳歌する国でした。
しかし、その後ナチス・ドイツに占領され、第2次世界大戦後は事実上ソ連の支配を受けました。
2002年の星組公演「プラハの春」は、チェコスロバキア大使館に勤務している時、「プラハの春」に遭遇した外交官春江一也の小説を舞台化した作品です。


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