黄昏 青年座 平成22年11月22日(月)18:30 紀伊國屋ホール


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11月22日(月)18:30公演を紀伊國屋ホールで観ました。
原作はアーネスト・トンプソンの舞台戯曲です。

ニューイングランド地方の「ゴールデン・ポンド」と呼ばれる美しい湖のほとりにある別荘に、引退した大学教授ノーマン(津嘉山正種)と妻エセル(岩倉高子)が、夏を過ごすためにやってきます。
もうすぐ80歳を迎えるノーマンは心臓が悪く、物忘れもひどくなっており、死への恐怖を感じています。 妻エセルはおだやかな愛情をもってノーマンを支えています。
父ノーマンに反発して家を飛び出した一人娘チェルシー(那須佐代子)が、父の誕生日を祝いに新しい恋人とその13歳の息子と一緒に8年ぶりに帰ってきます。
老いた父親を前にチェルシーは初めて素直な気持ちで「普通の父と娘のような関係になりたい。」と口を開きます。
夫婦、親子、老人と若者というさまざまな人間関係を通して「心の交流」の難しさや大切さが描かれています。

別荘のリビングが舞台になっていて、そこで交わされる会話で物語は展開します。
オーソドックスな「新劇」の舞台でしょうか。
前半は老夫婦の会話が中心です。
穏やかな時間の流れですが、どこかセリフや動作がぎこちなく、会話も間が長く上手く噛み合っていないように感じます。
娘が登場してからは少しテンポも良くなりました。

この作品は、ブロードウェイでロングラン上演され、映画化(「On Golden Pond」)もされています。 映画ではノーマンをヘンリー・フォンダ、娘チェルシーをヘンリー・フォンダの実の娘ジェーン・フォンダが演じています。
実生活でもこの父と娘の関係は悪化し、父に反発したジェーン・フォンダはフランスに渡っています。 後に二人は和解し、ジェーン・フォンダは父のために戯曲の権利を獲得し映画化されたのです。
映画で老夫婦を演じたヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンはアカデミー賞の主演男優賞と主演女優賞を受賞しています。

「新劇」を観るのは久しぶりです。
青年座の舞台を観るのは、昭和52年の「からゆきさん」以来、実に33年ぶりです。
今回と同じ紀伊國屋ホールでした。


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