以下はストーリーの核心に触れています。
昨日、17:30公演を東京国際フォーラムのホールCで観ました。
宙組で6年間トップコンビだった和央ようかと花總まりの舞台です。
退団後の二人の舞台を観るのは初めてです。
2004年にブロードウェイで初演された話題作の日本初公演です。
作曲は「ジキルとハイド」で有名なフランク・ワイルドホーンです。
ワイルドホーンは、二人のサヨナラ公演「Never Say Goodbye」の全曲を書き下ろしています。
大きな舞台にもかかわらず、ヴァンパイアやアンサンブルを除けばメインキャストは9人の少数精鋭でした。
そして緊迫感のある舞台に仕上がっています。
女性が「ドラキュラ」を演じるというのは世界で初めてだそうです。
和央ようか(ドラキュラ)は長身が舞台に映え、魅力的な「ドラキュラ」を演じ、しかも格好良かったです。
花總まり(美しい人妻ミーナ)は相変わらず美しいです。
演出は吉川徹です。
小池修一郎先生ではないのですが、舞台の印象は「エリザベート」を思わせます。
最初に登場するドラキュラは年老いていて髪は白いのですが、なぜかテンコ盛りになっていてキャバ嬢みたいだったのは
愛嬌でしょうか。
人の鮮血を吸って若々しくなった姿はトートを連想させます。
元モーニング娘の安倍なつみがルーシー役を好演しています。
ドラキュラに血を吸われ吸血鬼化したルーシーに対して、やむなく夫や教授たちは大きな釘をルーシーの胸に打ち付け葬ります。
愛する人が吸血鬼によって狂気の別人になってしまい残酷な最期を遂げるのです。
緊迫感のある舞台なのですがラストシーンが肩透かしのような感じです。
ドラキュラとミーナは互いに心惹かれます。
ついにドラキュラはミーナの血を吸い、ミーナもいずれ吸血鬼になるのです。
教授たちはドラキュラを退治するためにイギリスを去るドラキュラを追いかけます。
自分の運命を感じたミーナは、もし自分が異常な行動に出たなら、ためらわず殺してほしいと夫や教授たちに言い渡します。
いよいよ教授たちはドラキュラを追い詰めていきます。
これだけの伏線を敷いておけば、最後はミーナを巻き込んで教授たちとドラキュラの壮絶な死闘が繰り広げられると思うのですが
・・・何もありませんでした。
現世では愛を貫けないと覚悟したドラキュラとミーナはあっさりと自害して死んでしまうのです。
もちろんこのシーンもビジュアル的には美しいのですが、盛り上がりのないまま幕になってしまいます。
もっとドラマチックな最後を期待していました。
カーテンコールでは、はけて行く時に和央ようかがマントをオーバーにひるがえすたびに大きな歓声が上がります。
会場にはテレビカメラが入っていました。
DVDのための映像を収録していたようです。
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