8月20日(土)19:00公演を下北沢のザ・スズナリで観ました。
昨年4月にProject Nyxの女優だけにより実験的に公演された舞台の再演です。
“アンダーグラウンド版・宝塚”と評された舞台です。
この初演を客席で観た寺島しのぶが、主役の「つぐみ」をやってみたいと言ったそうです。
今回はその寺島しのぶを主演に迎えての再演です。
作は天井桟敷の寺山修司、構成・美術は天井桟敷にいた宇野亜喜良、演出は新宿梁山泊の金守珍です。
ある貴族邸の応接間、掬子から留守を任された田舎くさい女中のつぐみは、一人になると豹変します。
つぐみは、さながら伯爵令嬢のように振る舞い空想の世界に入り込んでいくのです。
それをこっそり見ていた掬子たちが、つぐみを嘲笑し追い詰めます。
しかし、これは伯爵令嬢であるつぐみの、暇つぶしの「女中ごっこ」なのです。
本当の女中であるもうひとりのつぐみが、猿ぐつわをされ、手は鎖で吊り上げられて登場します。
そしてこれからもうひとつのミステリーが展開していきます。
寺島しのぶが小劇場の舞台に立つとは思ってもみなかったのですが、気に入った役だからでしょうか、実に活き活きと演技してい
ます。
昨年2月にはやはり寺山作品の「血は立ったまま眠っている」を観ました。
蜷川幸雄演出、そして森田剛、窪塚洋介、寺島しのぶらの人気キャストでしたが、あまり面白くありませんでした。
メジャーな舞台や映画とは違って、今回はアングラ女優としての魅力も十分でした。
Project Nyxの前回の公演は、「星の王子さま」でした。
宇野亜喜良デザインの人形、70年代に活躍したフラワー・メグと中山ラビ、歌と演奏の黒色すみれの登場は今回も同じです。
同じ寺山作品ですが「星の王子さま」はメルヘンな雰囲気がいっぱいの幻想的な舞台でした。
今回は現実的な俗っぽい演出になっていますが、それはそれで面白いです。
歌あり踊りあり、カーテンコールも音楽と手拍子で宝塚の雰囲気がありました。
カーテンコールでは、奥から水が湧き出して舞台は水浸しになります。
キャストは長靴を履いていました。
寺島しのぶ人気でしょうか、客席の通路にも客を入れての満席でした。
2回の追加公演もあったようです。
これからも小劇場の舞台でも活躍してほしいと思うのですが・・・。
|