港町純情オセロ 劇団☆新感線 平成23年5月14日(土)18:00 赤坂ACTシアター


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劇団☆新感線としてはシェークスピア作品第二弾です。
5月14日(土)18:00公演を赤坂ACTシアターで観ました。

シェークスピア四大悲劇の一つ「オセロ」を大胆にアレンジしています。
1930年、戦前の関西の港町で抗争を繰り広げるヤクザたちの世界が描かれています。

最初の場面で組長のオセロ(橋本じゅん)はケガで入院しています。
病室に入ってきた病院長が「腰の具合はどうかね?」、オセロが「もうすっかりいいです」と応じます。
前作「鋼鉄番長」で、橋本じゅんは腰を痛め途中で降板しています。
それをフォローするようなやり取りに客席が沸きます。

オセロはブラジル人と日本人の混血、差別を受け自分の居場所がなかった暗い過去を背負っています。
美しく若いモナ(石原さとみ)は院長の娘です。
どう見ても不釣り合いな二人ですが純愛で結ばれます。
しかしオセロとモナのこの純愛も、野心を抱いたミミナシ(田中哲司)の仕掛けた罠によってオセロの激しい嫉妬に変わり、悲劇の結末を迎えます。

伊礼彼方が大学を卒業したインテリ・ヤクザで登場します。
ミミナシの妻絵美の松本まりかの声はかわいいユニークな声でした。
粟根まことはモナに惚れている酒場のオーナーです。
全身の“着ぐるみ”で2度登場します。いつも滑稽な役回りで会場を笑わせます。

ミミナシが囁く言葉の罠に周囲の人間が変わっていきます。
ミミナシは、周囲の人間の運命と舞台の展開の鍵を握っているという、もう一人の主役のような存在でした。
原作を知らなくても十分楽しめる作品だと思います。


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