10月20日(木)19:00公演を渋谷のパルコ劇場で観ました。
中谷美紀の初舞台です。
原作は文豪井上靖の小説「猟銃」です。
カナダ人の演出家、フランソワ・ジラールによって舞台化されました。
チラシには「一人の男を通して描く三人の女のラブストーリー」とあります。
3通の手紙を中谷美紀が暗誦するという、事実上の一人芝居でした。
一通は妻から、一通は密通の女から、一通はその女の娘から、一人の男に宛てた手紙です。
一人の男を演じた外人キャストは、セリフはなく背景でスローモーションのような動きをしているだけでした。
娘、妻、密通の女の順に、舞台上で衣装を着替えながら1時間40分ほど話し続けます。
手紙には、一人の男の13年間にわたる不倫の恋にかかわった三人の女性の胸に秘められていた想いが綴られているのです。
感情の起伏もそれほどなく、照明も薄暗く、あまり表情のない演出でした。
舞台も3通りに変化します。
初めは水が張られて池のようです。
その次は水が抜かれ砂利が敷き詰められています。
最後に砂利の装置が裏返って板の舞台に変わります。
なかなか凝った舞台装置でした。
演出のフランソワ・ジラールはアカデミー賞を受賞するなど映画監督として知られています。
また、シルク・ドゥ・ソレイユ「ZED」も演出しています。
演出をはじめスタッフは外人が多いです。
日本公演の前に、9月にカナダのモントリオールで上演されています。
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