5月25日(水)14:00公演を横浜・馬車道の「BankART Studio NYK」で観ました。
青年座の勝島乙江さんはシアタープロジェクト・東京(tpt)のオーディションを受けこの舞台に出演しています。
スペインの劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカの作品です。
1934年にマドリッドで初演され大成功を収めています。
しかし、右派からは反道徳的、反スペイン的、反宗教的作品と見なされ激しい非難も受けていたようです。
スペイン内戦の際、ファシストのフランコ政権によって銃殺されています。>
ストーリーは非常に単純です。
結婚して数年が経つにもかかわらず子供ができず悩む妻(井料瑠美)と、子供はいなくてもいいと考えている夫(杉山文雄)との二人の気持ちのすれちがいが悲劇の結末を迎えます。
この単純なストーリーを、歌、踊り、音楽、舞台装置が融合して情熱的な舞台に仕上がっているのは演出の力なのでしょう。
主役の井料瑠美は劇団四季の出身です。
演技も歌もすばらしかったです。
乙江さん演ずるマリーアは主役と絡む目立ついい役です。
また女性たちと一緒に激しく踊る場面は情熱的で迫力がありました。
前回出演した青年座の「クラウド9」はセリフ中心の「静」の演技でしたが、今回は情熱的な「動」の演技もあってまた違った乙江さんを観ることができました。
この公演を通じて役者としてさらに成長されることと思います。
80年近く前の作品です。
現在では社会の価値観や道徳観も大きく変わっています。
今回の舞台を見る限り反道徳的な印象はまったく感じませんでした。
「イェルマ」初演の前年、1933年に「血の婚礼」が初演され、やはり大成功を収めています。
このロルカの作品に影響を受けた清水邦夫作の「血の婚礼」が大規模修繕劇団の旗揚げ公演として蜷川幸雄演出で6月24日から上演されます。 |