7月25日(水)19:00公演を池袋のサンシャイン劇場で観ました。
ダブルキャストの主役の二人はイグニス・チーム(阿部丈二・岡内美喜子)です。
原作はアメリカのSF作家ダニエル・キイスの代表作です。
パン屋で働くチャーリイは32歳ですが幼児並みの知能しかありません。
ビークマン大学では、ハツカネズミのアルジャーノンに脳の手術を施し、目覚しい知能の向上に成功しました。
いよいよ人間であるチャーリイがその手術を受けます。
手術のあとチャーリイもまたたくまに知能が向上し、ついには周囲の人を追い越し天才の頭脳を手に入れます。
しかし心の成長は無く、優越感から傲慢な態度になり周囲の人たちと対立していきます。
そしてアルジャーノンが異常な行動を始めます。どうやら知能が向上したはずの脳が退化を始めたようです。
それを見てチャーリイは自分の将来を悟ります。
チャーリイ役の阿部丈二は、知能の低い人物と天才となった人物を、表情や話し方などでうまく演じ分けていました。
原作は読んでいませんが、チャーリイが書きとめる日々の報告書になっているようです。
知能の発達に伴って幼稚な表現から高度で複雑な表現に文章も変化していきます。
今回はリーディングの場面を多く入れて原作の雰囲気をうまく舞台に生かしているようです。
シリアスな舞台の雰囲気を和らげるためでしょうが、ギャグがどれも寒かったです。
ついにアルジャーノンは死んでしまいますが、チャーリイは再びパン屋で働くことになり温かく迎えられるラストシーンにほっとしました。
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