8月25日(土)14:00公演を初台の新国立劇場で観ました。
水上勉の原作で、青年座で何度も再演されており今回は5度目の公演です。
お寺の境内の池に住むトノサマ蛙の子ブンナは新天地を求めて椎の木に登ります。
しかし、そこはトンビの餌置き場でした。
次々と連れて来られる傷ついた雀、百舌、鼠、蛇。
「死」を前に必死に生きようとする餌たちの壮絶な戦いが繰り広げられます。
怯えながら隠れていたブンナは、命の大切さ、そして強いものが弱いものを食べて命をつないでいく現実を知り、仲間のいる地上へ下りていきます。
雀を演じた勝島乙江が熱演でした。
餌同士も弱肉強食の関係です。
百舌や鼠が自分を食べないように狭い木の上を逃げながら、代わりに隠れているブンナを食べろと告げ口をします。
生への渇望をむき出しにした迫力のある演技でした。
女性キャストの中では一番目立つメインの役でした。
弱肉強食は残酷な現実かもしれませんが、命をつなぐ大切さを訴えているように思います。
衣裳や動作が、それぞれに動物らしさが出ていて面白かったです。
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