2月9日(木)19:00公演を赤坂ACTシアターで観ました。
森田剛主演、宮本亜門演出です。
宮本亜門が芸術監督を務める神奈川芸術劇場のこけら落とし公演で、ニューヨークでも絶賛された舞台の凱旋公演です。
近代日本文学代表傑作の一つ、三島由紀夫の「金閣寺」の舞台化です。
金閣寺に入り僧侶となるための修行をしている青年「溝口」(森田剛)が主人公です。
小さい頃から、僧侶であった父から金閣寺の話を繰り返し聞いて、その美しさにとりつかれています。
しかし生まれつき吃音のため人生の疎外感に苦悩しながら生きています。
寺で同じく修行している鶴川(大東俊介)、そして進学した大学で柏木(高岡蒼甫)と出会います。
鶴川は明るさを装いながら、溝口には本心を明かさないまま自殺します。
柏木は下肢の障害を逆手に利用し不敵に生きています。
溝口と二人の友人を中心に、若者の挫折と苦悩を描き、生きることの意味を問いかけます。
二人の友人とも心を通わせることが出来ず、溝口は不遇と孤独の中で金閣寺の放火を決意します。
溝口を演じた森田剛が求心力のある存在として際立っています。
一つ一つのセリフが短く歯切れのいいやりとりになっています。
これは外国での公演を意識しているのでしょうか?
可動式・組立て式の舞台装置を使ってカットの多い映画のように次々と場面が展開して行きます。
アンサンブル(大駱駝艦のキャストのようです)のパフォーマンス、音響・映像を駆使した効果などすばらしい舞台構成でした。
カーテンコールでは客席はスタンディングオベーションでした。
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