11月17日(土)13:00公演を初台の新国立劇場で観ました。
「セールスマンの死」で知られるアメリカの劇作家アーサー・ミラーの原作です。
森の中で裸で踊っている少女(鈴木杏)を目撃した牧師は神への冒涜だと少女を問い詰めます。
苦し紛れに少女は悪魔に憑りつかれていたとして村の女たちを魔女と告発します。
さらに少女は不倫相手の男(池内博之)を我がものとするためにその妻をも魔女と告発します。
それを信じた裁判官(磯部勉)は善良な村人を次々と絞首刑に処し、一方で少女は聖女として扱われていきます。
しばらくして一部の良識ある人たちは少女の虚言に過ぎないと気づきます。
しかし、自らの権威と地位を守るため裁判官は独善に陥り、真実から目をそらします。
汚れなき聖女か淫らな娼婦か、一人の少女に村は翻弄されてしまいます。
人間の持っている狂気や愚かさそして弱さが鮮明に描かれています。
「魔女狩り」があった時代だけの話ではなく、現代にも通ずるものがあるようにも思います。
原作、演出(宮田慶子)、キャストのそれぞれの持つ力がうまくかみ合っています。
休憩を含めて3時間45分と長いのですが、最後まで緊張感の途切れない、見応えのあるすばらしい舞台でした。
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