三谷版 桜の園 パルコ 平成24年7月4日(水)19:00 PARCO劇場


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7月4日(水)19:00公演を渋谷のPARCO劇場で観ました。
「三谷幸喜初ものづくし三作品 三ヶ月連続上演」の第一弾です。
原作は、チェーホフ4大戯曲の一つです。

破産に直面している女地主ラネーフスカヤ(浅丘ルリ子)は浪費癖が抜けず、借金返済のために「桜の園」はまもなく競売されようとしています。 しかし危機感は全くなく、いつものように散財を繰り返しています。

チェーホフはこの作品を喜劇としています。
しかしモスクワ芸術座で初演を演出したスタニスラフスキーは悲劇として舞台化しました。
喜劇なのか悲劇なのか?
三谷幸喜は今回、作者の言うとおり喜劇として演出しました。
しかし単に“お笑い”の喜劇ではなく、没落していく貴族の悲喜劇のようです。

浅丘ルリ子は72歳です。
セリフに抑揚がなくテンポもスローで、主役としての活力が感じられません。
このため舞台に求心力がなく、周りのキャストもバラバラな存在になっています。
お笑いタレントの青木さやかが家庭教師の役で出演しています。
前説で登場して歌を唄っていました。

昭和49年に劇団民藝でこの作品を演出した宇野重吉は、チェーホフが題名に喜劇と書き添えたのは、演出家や俳優に「どうしてこれが喜劇なのか」と疑問を持たせることにより、作品をより深く読み解くための暗示ではないか、とその著書(「チェーホフの『桜の園』について」)に書いてい ます。


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