3月17日(土)19:00公演を銀座みゆき館劇場で観ました。
何かに(誰かに)追われて逃げている流れ者3人が主人公です。
キリスト教で言われる強欲、憤怒、怠惰など人間が持つ「七つの大罪」をテーマに3人の会話が展開します。
そして最後に3人は押し寄せてきた“一般市民”に大罪人として殺されてしまいます。
人間座の舞台を観るのは初めてです。
1960年代、「新劇」の劇団が演劇の主流だった頃、小劇場運動を担った劇団のひとつです。
寺山修司が天井桟敷を旗揚げする3年前に仮面劇「吸血鬼の研究」を書き下ろしています。
エンスト(久木念)、ウラジミ(円山莫)、ミーナ(田代葉子)、
それぞれの個性が強調されているわけではありませんが、とにかく3人の会話が面白いです。
ミーナは漫才でいえばツッコミ役で存在感がありました。
今回は不条理劇の雰囲気の舞台でした。
不条理劇の最高傑作といわれるサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を意識して書かれているようです。
「ゴドー」では、2人の浮浪者がゴドーという人物を待ちながら、たわいのない会話を交わし続けます。
2人の名前はエストラゴンとウラディミールです。
「ゴドー」は1本の木があるだけの道が舞台です。
今回は、赤いポストと電柱とベンチがあり、バスを待っているという会話もありました。
ただ「ゴドー」はストーリーは特に展開せず、いつまでも待ち続ける「空虚」な世界が表現されています。
今回の悲劇の結末は「七つの大罪」をテーマにしたための必然なのでしょうか。
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