3月15日(木)と19日(月)の2回、19:00公演を代々木八幡の青年座劇場で観ました。
15日は初日です。
昭和初期、女学校を出て間もない令嬢・孝子(勝島乙江)とその唯一の友人の女学生・茜(加藤藍子)の物語です。
少女が大人の女性に成長していく過程で見られる同性への親密な思い。
二人に共通する出生の秘密。
親が勝手に進める結婚話に抵抗する孝子。
二人の友愛は永遠だと思いながらも、やがて大人へと成長していきます。
登場人物は5人、孝子のお屋敷の離れが舞台です。
勝島乙江は実年齢は少し上?ですが、17歳の孝子をかわいく演じていました。
初日は固さが見られましたが、19日はずいぶんと良くなって役になりきっているようでした。
ラストシーンでは孝子は母親の形見の口紅を付けます。
少女から大人に成長したことを暗示しているようです。
時間の経過が感じられるように、衣裳を変えるなど孝子の外見の変化があればよかったと思います。
二人が庭のバラの前で演技する場面では、客席によるのですが部屋の窓枠の影になり顔が隠れてしまいます。
父親役には、大邸宅の主人としての重みが欲しかったように思います。
孝子の出生の秘密を知る女中・柏木の松熊つる松(女性です!)がしっかりした演技で舞台を引き締めていました。
青年座の森井沙織は23歳、この作品が初めての作・演出です。
“少女小説”は明治から大正にかけて少女向けの雑誌に掲載された小説の総称だそうです。
舞台と衣裳は中原淳一の挿絵のようでした。
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