10月3日(木)19:30公演を中野のテアトルBONBONで観ました。
演出は、天井桟敷にいて寺山ワールドの裏表を知る森ア偏陸です。
昭和42年に天井桟敷を旗揚げした寺山修司は、この年に次々と上演を行います。
その3作目が美輪明宏(当時は丸山明宏)のために書き下ろした「毛皮のマリー」です。
初演のポスターには「女装劇」「美しく悲しき男娼の物語」と書かれています。
男娼マリー(野口和彦)と一人息子の“美少年”欣也(大橋一輝)の実の親子ではない親子の物語です。
マリーは、欣也を可愛がり部屋の外にも出さず、その人生を完全に支配しています。
そして欣也も、マリーに逆らうことなく、部屋の中に美しい蝶を放ち、それを追いかけています。
ある日突然、美少女(大島雅陽)が欣也の前に現れ外の世界に誘います。
大きく心が揺れた欣也は一度は家を出ますが、「あたしが呼びさえすれば必ず帰ってくるのですよ」というマリーの言葉通りにマリーの元に戻ります。
マリーを演じた野口和彦の存在感が圧倒的でした。
下男役の山谷初男は初演の舞台に出演しています。
美女の亡霊として5人の着飾った美女(ニューハーフ?)が登場します。
1人1人自己紹介しながら楽しいシーンでした。
初演では本当のゲイバーのママたちが出演したそうです。
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