1月26日(土)19:30公演を東中野の芝居砦・満天星で観ました。
唐十郎の代表的なアングラ劇です。
怪しげな地下喫茶「肉体」、この店を経営するのは永遠のトップスター春日野八千代(水嶋カンナ)。
そこでは、SMめいたボーイ主任(金守珍)とボーイたちが、客の腹話術師とその人形、なぜか水道の蛇口から水を飲もうとやって来る男などと、不条理なやりとりをくりひろげます。
そこへ宝塚に憧れる少女(大鶴美仁音)と老婆が春日野に会うためにやってきます。
二人の前に現れた春日野は、少女を相手に「嵐が丘」のヒースクリフを演じ始めます。
次第に春日野は現実と舞台との区別がつかなくなり、戦時中の満州慰問公演の思い出がよみがえります。
春日野「何の音?」
甘粕大尉「吹雪です。」
春日野「あたし、また、満州に帰ってきたのね。」
甘粕大尉「ここがあなたの嵐が丘です。」
大鶴美仁音は唐十郎の娘です。昨年8月には劇団俳小で同じ役を演じています。
まだ大学生のようですが、若くて可愛くて、しかし演技はしっかりしていました。
演出を担当しボーイ主任も演じた新宿梁山泊代表の金守珍の演技ですが、暴虐さが目立ちすぎています。
また腹話術の人形が現実的な人物の顔になっていて生々しかったです。
このため舞台全体が“あく”の強い印象になっています。
1ヶ月ほど前にはオルガンヴィトーの公演を観ました。
こちらはそれほど“あく”の強さはありませんでした。
宝塚55周年にあたる1969年の作品です。
もう古典のようなアングラ劇で、多くの劇団で上演が繰り返されています。
|