10月24日(木)19:00公演を渋谷のシアターコクーンで観ました。
唐十郎・作、蜷川幸雄・演出、初演は1975年の作品です。
今回は13年ぶりの再演です。
廃墟になった無人の長屋が舞台です。
青年アリダ(窪田正孝)、その昔、子供のアリダを誘拐しようとした銀メガネ(平幹二郎)。
この長屋にアリダの兄と暮らし1年前に心中を図りながらも生き残った水芸人・お甲(大空祐飛)。
兄の1周忌の命日に、この3人の会話を中心に物語は展開します。
お甲は兄に貸した金を返してもらおうとアリダを呼び出したのです。
お金のために、お甲は「水芸・滝の白糸」を披露します。
しかしそれは自らの手首を切って噴き出す“赤い血の水芸”でした。
初めはアリダと銀メガネの長い会話が続き、45分ほどしてお甲は捨てられたタンスの上に鮮烈に登場します。
宝塚の舞台ならここで大きな拍手ですが、ありません。
とてもスーツの似合う男役でしたが、今回は妖艶な女性を美しく演じています。
水芸の時は日本髪に着物姿でした。
ベルばらではありませんが、最後にはクレーンの台に乗って宙を舞っています。
昨年7月に退団して、今年1月に舞踊の舞台に出ていますが、本格的な舞台は今回が初めてです。
ミュージカルの世界に進むOGが多い中で、ストレートプレイしかもアングラ演劇に出たのには驚きました。
これからどんな女優に変身するのでしょうか?
平幹二郎は来月80歳です。
年齢を感じさせず、レトリックの多い唐戯曲のセリフをいとも滑らかに演じています。
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