9月20日(土)18:00公演を渋谷のシアターコクーンで観ました。
2人は舞台初共演という今年の話題作です。
清水邦夫・作、蜷川幸雄・演出です。
とある楽屋で主演俳優の男(段田安則)は、男のために女優の道を捨てたた妻(宮沢)と「オセロ―」のセリフの稽古をしている。
しかし、そのうち男は現実と演技の境が混沌として思わず妻の首を強く絞めてしまう。
公演後、2人は転地療養のために20年ぶりに男の故郷に帰ってきた。
道を尋ねるために立ち寄った理髪店の女主人(大竹しのぶ)、店に地元の客たちが現れる。
女主人は男の姉と名乗り、客たちとともに男の過去が明かされていく。
しかし、男は過去を取り戻せないまま現実と演技の区別がつかなくなり、再び妻の首に手をかける。
2人を比較すると、セリフの量、動きの大きさ、衣裳のビジュアルなどで宮沢りえが圧倒的に目立っています。
大竹しのぶは、ヒゲを剃るカミソリを研ぎながら無言でいる時間が長く、本来の迫力あるセリフ術がみられません。
“火のようにさみしい姉”という役づくりでは仕方ないのでしょうか。
大竹しのぶファンとしてはちょっと複雑な心境になる舞台でした。
ファンクラブで申し込んだチケットは、上手の前から2列目でした。
顔の向きでは客席からはその表情が見えませんが、息づかいも感じられるほどすぐ間近に見られて良かったです。
レトロな理髪店の舞台装置も良かったです。
1978年に初演され、18年後の1996年に再演され、さらにその18年後の上演です。
清水邦夫の妻であり女優の松本典子が、初演では男の妻を、再演では理髪店の女主人を演じています。
晩年は、女優を辞め清水邦夫の介護に専念したそうです。
|