11月21日(土)13:30公演を新宿の紀伊國屋ホールで観ました。
日露戦争前夜、シンガポールの娼館で働く「からゆきさん」たちの物語です。
遠く離れた祖国と家族のために懸命に働いて、日本に送金しています。
しかし、戦争に勝利した日本は、諸外国への体面を重んじ海外の娼館を閉鎖に追い込みます。
国に見捨てられ全てを失ったからゆきさんたちの悲劇が描かれています。
からゆきさんは、長崎県島原半島や熊本県天草諸島の貧しい家庭の娘たちが多かったようです。
その存在は「戦前の日本の恥」としてあまり知られていませんでしたが、山崎朋子のノンフィクション作品「サンダカン八番娼館」(1972年)によって広く知られるようになり映画化もされ、青年座でも何度か上演されています。
娼館の女将役の安藤瞳が、時代に翻弄されながらも強く生きる女性の姿を好演していました。
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