9月15日(火)14:00公演をこまばアゴラ劇場で観ました。
On7(オンナナ)の第2回公演です。
On7は5つの劇団に所属する同世代の女優7人が、「より多くの舞台に立ちたい」「もっと面白い舞台を創りたい」という思いから旗揚げした演劇ユニットです。
広島に落とされた原爆で命は助かったものの、爆発時の激しい熱線で顔や体にケロイドを負った若い女性25人が、その治療のためにアメリカに渡ります。
日本とアメリカの人たちの献身的な努力と大きな善意で実現したこの歴史的事実をもとにした作品です。
作は古川健、演出は日澤雄介、劇団チョコレートケーキのコンビです。
ずっしり重いテーマのセリフ劇でした。客席は緊張感に包まれ、2時間の静寂が続きました。
ニューヨークの病院で治療を受けていた智子(安藤瞳)は、命には影響しないはずと思われた外科手術で亡くなります。
その夜に集まった友人6人と生前の智子の7人の会話で場面は進みます。
智子と同室で明日に手術を控えた敏子(尾身美詞)は最も動揺し、手術に悩み、死の不安に襲われます。
智子のこと、手術のこと、いつ発症するかもわからない原爆病のこと、そして原爆が落ちた時に親に助けられ生き延びられたことなど、過酷な運命を背負って生きている7人それぞれの思いが“心の叫び”のように語られます。
そして敏子は明日手術を受けることを決心します。
台本、演出、そして7人の女優の熱い演技が観客の心を打つ感動的な舞台でした。
悲しく切ない物語ですが、死の恐怖や差別・偏見に心がくじけそうになりながらも、それを乗り越えて生きて行こうとする若き女性たちの“強さ”に観客は救われるように思います。
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