10月2日(金)19:00公演を下北沢のザ・スズナリで観ました。
唐十郎の代表的なアングラ劇です。
防空壕の跡地にある怪しげな地下喫茶「肉体」。
この店を経営するのは永遠のトップスター春日野八千代(李麗仙)。
そこでは、暴力的なボーイ主任(島本和人)が、客の腹話術師とその人形、なぜか水道の蛇口から水を飲みにやって来る男などと、不条理なやりとりをくりひろげます。
そこへ宝塚に憧れる少女・貝(松山愛佳)と老婆(金守珍)が春日野を訪ねてやってきます。二人の前に現れた春日野は、貝を相手に「嵐が丘」のヒースクリフを演じます。
次第に春日野は現実と舞台との区別がつかなくなり、戦時中の満州慰問公演の思い出がよみがえります。
春日野「何の音?」
甘粕大尉「吹雪です!」
春日野「あたし、また、満州に帰ってきたのね。」
甘粕大尉「ここがあなたの嵐が丘です!」
久しぶりの李麗仙主演だからでしょうか、会場は補助席も含めて満席でした。
ただ73歳になる李麗仙は体力的な衰えは隠せず、観ていてもハラハラします。
春日野のセリフにも出てきましたが、この戯曲が書かれたのは宝塚55周年にあたる1969年です。
唐十郎は、当時大ヒットしていたメリー・ポプキンの「悲しき天使」のレコードを聴きながら2日間で書いたそうです。
上演中何度もこの曲が流れます。
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