2月10日(土)12時公演を浅草公会堂で観ました。
坂東流の師匠・坂東三奈鶴の傘寿を記念しての踊りの会です。
弟子の坂東鶴彩碧(碧さやか)は「鷺娘」を踊りました。
これは日本舞踊や歌舞伎における人気演目のひとつで、あの坂東玉三郎の当たり役としても知られています。
雪が降っている冬景色の舞台に娘に姿を変えた鷺の精がたたずんでいます。
白無垢の振袖に黒い帯、頭には綿帽子をかぶり、蛇の目傘をさして踊ります。
しばらくしてから、黒子が衣裳を引き抜くと華やかな振袖姿の娘に早替わりします。
一度袖に入って別の衣裳で出てきますが、これも早替わりの仕掛けがありました。
恋に悩む娘の心情が表現されていて、苦悩のあまり最後に息絶えるシーンは、バレエの「瀕死の白鳥」の影響を受けているといわれています。
坂東鶴彩碧は鷺の精を、しなやかに、華麗に、そして感情の起伏豊かに、物語を演じるように踊っています。
小劇場の女優“碧さやか”の舞台は何度か観ていますが、日本舞踊の素養も素晴らしいことに驚きました。
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