8月10日(金)14:00公演を東京芸術劇場シアターウエストで観ました。
On7(オンナナ)第2回公演の3年ぶりの再演です。
広島に落とされた原爆で命は助かったものの、爆発時の激しい熱線で顔や体にケロイドを負った若い女性25人が、その治療のためにアメリカに渡ります。
日本とアメリカの人たちの献身的な努力と大きな善意で実現したこの歴史的事実をもとにした作品です。
ニューヨークの病院で治療を受けていた智子(安藤瞳)は、命には影響しないはずの簡単な外科手術で亡くなります。
その夜に集まった友人6人と生前の智子の7人の会話で場面は進みます。
智子と同室で明日に手術を控えた敏子(尾身美詞)は最も動揺し、手術に悩み、死の不安に襲われます。
6人は智子の死を悼みながら、原爆が落ちた時に親に助けられ生き延びられたこと、しかし周囲の偏見や差別に苦しめられたことなど、過酷な運命を背負って生きてきたそれぞれの思いを語ります。
そして医師たちも今回の事故で、このまま手術を続けるのかどうか悩んでいることが知らされます。
この語らいの中で敏子は、亡くなった智子の無念さを思い、また日本に残された多くの被害者の希望の火を消さないためにも、明日手術を受けることを決心します。
ずっしり重いテーマのセリフ劇で、客席は緊張感に包まれ、2時間の静寂が続きます。
ラストシーンで、治療を終えて帰国した敏子の明るくて前向きな挨拶に客席の緊張が解かれます。
台本、演出、そして7人の女優の熱い演技が観客の心を打つ感動的な舞台でした。
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