3月25日(月)18:30公演を渋谷のシアターコクーンで観ました。
作・演出は岩本了、Bunkamura30周年の記念公演です。
ある国(日本?)が内戦状態になり、反政府軍の兵士は山の中の廃校になった小学校の校舎をアジトに活動しています。
森田剛は多岐川秋生という兵士役、反政府軍のリーダーは吉田満(村上淳)、リーダーの妹・リン(平岩紙)は秋生の恋人です。
リンが何者かに襲われる事件が発生、信頼していたリーダーの不可解な行動、捕虜にしている政府軍兵士2人の存在などにより、アジト内の人間関係が変化していきます。
岩松了の新作書き下ろしで、岩松が「余計に動かない俳優、暗い印象の俳優」と評する森田剛に当て書きした作品のようです。
追い詰められた人間の心理描写のために、内戦状態という設定にし、兵士は戦闘服を着て機関銃を持って登場しますが、空を飛ぶヘリコプターの音がするくらいで、戦争中という緊迫感や緊張感のある演出はほとんどありません。
秋生とリンの恋愛関係もお互いの情熱が感じられず中途半端な描かれ方です。
兵士に生命保険の勧誘にやって来る保険外交員の女性は、舞台の緊迫感を和らげる役割かもしれませんが、もともと緊迫感はないので滑稽な存在になっています。
もっと動きのある舞台を勝手に想定していましたが、「静か」でした。岩松・森田コンビの作品としてはこれでいいのかもしれません。
チケットは完売しているようで、若い観客が多く、立ち見客もいました。
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