ラストシーンでのネロ(水夏希)とエスコバル(彩吹真央)の男の友情が痛いくらい感動的でした。 タカラヅカらしい華やかさからは離れ、哀愁を帯びた味わいの男性向きの作品でした。 正塚先生も説明しているように「男っぽい雰囲気の骨太な芝居」になっています。
水夏希は、男性の私から見ても“男っぽい男”になりきっています。 マフィアのボスに脅されてもひるまず、相手の弱みをつかんで逆に脅し返します。 圧政の独裁者である大統領に対してもマフィアと手を切るようにと激しく詰め寄ります。 男の熱いエネルギーを感じさせる熱演でした。
しかし軍隊や警察隊による民衆の弾圧が続きます。 激しい戦闘で傷を負ったエスコバルがネロに示す男の友情が、また彩吹真央の演技が光っていました。 白羽ゆりは、反政府運動に身を投じ命を狙われるネロと弟のリナレス(音月桂)の身を案じるセリアの役です。 舞台では“紅一点”と思わせるくらい存在感のある演技でした。
「ソロモンの指輪」は30分ほどの短いショーでした。 「スピーディでファンタジックなショー」と説明されています。 ダンスの振付が“くねくね”しているように思えて、何か不思議な感じがする舞台でした。 東京国際映画祭での上映は観ていませんが、映像で見ると違った印象になるのでしょうか。
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