パラダイス プリンス ダンシング・フォー・ユー 宙組
平成20年12月9日(火)18:30 東京宝塚劇場

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陽月華を舞台で観るのは昨年の「バレンシアの熱い花」以来です。
久しぶりにすばらしい演技とダンスを観て感激しました。
「あきらめられない夢」をめざしながらも厳しい現実の前に悩みくじけそうになる画家の卵を熱演しています。
また、ダンスでは折れそうに細い腕が描く軌跡は美しさというより天性の輝きがあります。

植田景子先生の作品です。
ストーリーも分かりやすくどの場面も観客の心を引き付けます。
タカラヅカは徹底したスターシステムですが、トップの2人だけでなく周囲の人物もそれぞれ存在感のある役として描かれ、生徒を輝かせています。
また、専科の美穂圭子の情感こもる歌と演技があり、短い場面ですが心打たれます。
さらに美穂圭子と一樹千尋の専科2人だけで銀橋での文字どおり大人の演技があります。
「舞姫」の悲しい結末にも感動しましたが、今回はオリジナルの心温まる素晴らしい作品になっています。

「ダンシング・フォー・ユー」は群舞のパワーが素晴らしいショーでした。
男役が全員登場する大階段での黒燕尾の踊りは迫力満点です。
エトワールは和音美桜でしたが、これほどの歌唱力があるとは気づきませんでした。
娘役トップも近いと思っていただけに退団は残念です。インタビューでは「歌は続けていこうと思っている」そうなので、いずれ新しい「たっちん」の姿を見せてくれることを期待しています。

「Paradise Prince」は背景にアニメなどの映像が活用されています。
プログラムを見ると映像担当は奥秀太郎です。
ちょうど先週は“舞台映像の鬼才”奥秀太郎が初めて演出した「黒猫」を観たところです。
タカラヅカでは小池先生とのコンビだけだと思っていたのですが、いろいろ関わっているようです。

今年7月に新しい緞帳「ビューティー唐草」が化粧品会社から寄贈されました。
記者発表では「踊るような線は、女性たちのエネルギーを見立てたもの」と説明され、抽象的な図案と思っていました。
今回よく見ると言われているようにFLOWER、COSMOS、STAR、MOON、SNOWの文字がデザインされていました。


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