陽月華の休演は残念です。ユニークなキャラクターを持った娘役ですので、早く良くなって復帰してほしいと願っています。
白洲正子役の和音美桜と吉田和子役の藤咲えりは突然の代役で大変だったと思います。ほとんど
男役中心で展開する中で二人ともしっかりとした演技で華を添えていました。歌のうまい和音美
桜の澄んだ歌声には心が洗われます。
タカラヅカは徹底したスターシステムですので、トップスターの上に立つような形で専科の轟 悠が特別出演することには違和感を感じていましたが、白洲次郎とマッカーサーという2人の男性 が並び立つようなこの作品ではあまり違和感を感じさせず、特別出演もうなづけます。
実在した白洲次郎は裕福な家庭の生まれ、ケンブリッジ大学への留学、日本人ばなれした流暢 な英語、「オイリーボーイ」と言われるほどの車好きなど、庶民感覚からは離れた存在であり感情 移入しにくい人物像です。また絶対的な権力者であるマッカーサーもまた同様です。しかし、2人 とも立場は違っても日本を愛する人間味溢れる人物として描かれており、石田先生の脚本の良さが 光っています。
特攻隊として命を落とす若者へのレクイエムとして轟悠が謳い上げる「群青」の場面は感動的 で す。また吉田茂を演じた専科の汝鳥伶は3人目の主役と言えるほど存在感がありました。
「Passion愛の旅」のオープニングは燕尾服でいきなり観客の視線を引き付けます。
特にフィナーレで轟悠と女性姿の大和悠河が踊るデュエットは見ものです。大和悠河が“オカマ ”に見えると言ったのは誰なのでしょうか?
今回は作品からして男性客が多いという話がありましたが、特にいつもと違う雰囲気ではありませ んでしたが少しは多かったでしょうか。
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