つむじ風食堂の夜 東京国際映画祭 平成21年10月21日(水)11:10 六本木ヒルズTOHOシネマズ

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19日に引き続き、10月21日11時10分の上映も観ました。
映画祭での上映は1作品2回になっています。
このため都合が悪ければ観たい作品でも観れないことになります。
(もちろん一般公開されてから観ることができます。)

上映前に舞台挨拶がありました。
登場したのは、月船さらら、八嶋智人、そして篠原監督の3人です。
上映後に3人が再登場しティーチ・イン(QAセッション)がありました。

もう1ヵ月後からロードショーが始まるのにやっとチラシが出来上がったということで上映後、観客に配布されました。 このチラシに載っているキャストの紹介を引用します。

主役の「私」には「秋深き」に続き、2度目の主演となる八嶋智人。
食堂に集まる常連客として、口の悪い舞台女優に元宝塚歌劇団の月船さらら、
不思議な帽子店主に下條アトム、古書店主に田中要次、コーヒースタンドの無口なマスターにスネオヘアーが扮する。
また、「私」が子供の頃に他界した父親役に生瀬勝久と個性豊かな出演陣が脇を固める。

(以下、ストーリーに触れています)
月船さららは、背の高い売れない女優「奈々津さん」役です。
登場するシーンも多く、ラストシーンも「私」と「奈々津さん」の二人の場面です。
ですからこの二人が主役だと思います。

「奈々津さん」は、いつまでたっても主役が来ない、もうそんなに若くない、
そんな焦りや居直りからいつも不機嫌な顔をして、「私」や「桜田さん」に当たっています。
一方、帽子店主の「桜田さん」は、不思議な話を穏やかな表情と口調で周囲に語りかけます。
この二人の対照的なキャラクターが映像としてもうまくメリハリがついています。

「奈々津さん」は「私」にひとり芝居を書いてほしいと頼みます。
ひとり芝居なら主役も脇役もないからです。
「私」からなかなか返事がなかったのですが、ラストシーンで二人が食堂からの帰り道、書いてくれることが分かります。
「どんな芝居にしようか?」とやさしい笑顔で問いかける「私」に、
「奈々津さん」は、それまでの荒れた心境から一転して心の安らぎを得たように、本当にうれしそうな笑顔で応じます。
特別な演技ではない、この二人の自然な笑顔のやりとりが温かく、観客の心もなごませてくれます。 これがまた後味のいい作品になっている理由だと思います。

「月舟町」という架空の町が舞台ですが、函館でロケが行われ、路面電車や町並みのレトロな雰囲気がファンタジックな映像として切り取られています。
私は舞台の方が好きで、映画を観る機会は少ないのですが、久しぶりに心地よく観ることができる映画に出会いました。

上映後のQAセッションで質問をしました。
篠原監督には「奈々津役に月船さんを起用した理由」を、
月船さんには「売れない女優についてどういう役づくりを考えたか」を聞きました。
丁寧に答えていただきました。
(うまく文字にできないので内容は略します。すみません。)

女性の服装はよく分からないのですが、月船さららは、かなり?ミニの白いワンピースでした。 売れない女優の渋さではなく、輝くような美しさでした。
映画は、11月21日から全国で順次ロードショーが始まります。

この日の舞台挨拶の記事が載っています。
http://www.cinematoday.jp/page/N0020279

また、渋谷でのロードショーの記事です。
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=240


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